人間が人間に及ぼす影響について(高野苺「orange」感想※ネタバレなし)
先日、会社を辞める後輩の送別会にて。
「あのとき○○さん(私)に言ってもらったことがすごく嬉しくて・・・」と言われた。不思議なことに、言ったほうは全然覚えてない。
「人間はしてあげたことは覚えてるけど、してもらったことは忘れる」というのが定説なのに。たぶん、言ったほうは何気なく言ってるだけで、「言ってあげた」とは思っていないからだろう。
今、高野苺さんの「orange」というマンガを読んでいる。未来の自分から「自分はいま後悔してるから、あれをしろ、これをするな」という手紙が届いて、言う言わない、するしないで迷う話。
恋愛シミュレーションゲームみたいだな、と感じる。選択肢でストーリーが分岐して、エンディングが変わる。けど現実には、誰かの言ったことやしたことによってストーリーがそんなに変わることって、あるんだろうか。
私はないと思っている。だから後悔していることもない。短期的に「うわ、あのとき買っておけば良かった〜」とか、仕事でミスして「うわ、やらかした~」とか思うけど、長期的に見ればそれで良かったんだと思えている。
現状に満足できている、幸せな状態なのかも。「自分のせいで・・・」と思いつづける人生は、不幸そうだな。そんなふうに思ってる人がいたら、「あなたのせいではないよ」と言いたいけど、言われたくらいじゃ考え方は変わらないのかな。
良くも悪くも、人間が人間に及ぼす影響なんて、ほぼゼロに等しくて、その小さな影響の集合体で現在ができている。ただ、テロとか虐待とか、例外はあるけど。